立ち止まって水を飲む

日記 エッセイ 雑記 その他をさらけ出したい。

若き日々のエピソード ドライブ編

 対人コミニケーションが不器用な自分は相手の顔を見ながら話をするのが苦手。目が合ってもそらしてしまう。あーもどかしい!自分でもよくわかってる。目を見て話さなくてはいけないと、よくわかっているんだ・・・・

 

ドライブ中、横に座っている彼女の方をあまり見られなかったもんだからよく言われた。

「もっとかまって!」  「つまんない」  「・・・・」  とか

悪気はないんだよ・・・・話したいけどうまく話せないんだ・・・・

そのくせ、彼女が他の男としゃべっているのを見ると心臓がバクバクして、血圧が上昇。どうしようもない怒りが現れる。車内で声にならない大声をだし、見てしまった現実を受け入れられず、車を川沿いに止め、シートを倒し、たばこに火をつけて怒りを沈めようと目を閉じた。

その怒りが通り過ぎたら悲しい気持ちが押し寄せてきて涙が込み上げてくる。それを必死にかくしながら、1時間位、倒したシートに身をまかせた。

いろいろと頭をよぎってたそがれた。

 

「よし、行くか!」

ようやく、自分に言い聞かせる。

キーを回しエンジンをかけた。

窓を半分位開け、沈丁花の香りがほんのり香った3月の風を味方にしながらその場を去った。

 

 

今となったら懐かしい20代の一コマ。

基本的な気持ちは変わっていないけど・・・・

外見は多少変わってしまった。

 

二人で居たれどまだ淋し

一人になったらなほ淋し

しんじつ二人はやるせなし

しんじつ一人はたえがたし

 

 

 北原 白秋    「他ト我」より