立ち止まって水を飲む

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そのランナーとその男 フィクション

 

 

あるマラソンランナーを通じて、ある男のストーリーを考えてみた。

 

そのランナーは5年前にトップ7にはいる実力者。今ではみんな、そのランナーを忘れていた。本人は奮起をして、国際マラソンにエントリーをした。

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過去の精悍な顔つきは失っている。そもそも、なぜ5年間姿を現さなかったのか?なぜ、走らなかったのか?

 

このランナーは一人っ子で6歳で両親が離婚。その後、ばあちゃんに育てられ2人で生きてきた。学費を払うのも苦労してきて育てた。ときにはきびしく、ときにはやさしく、トップランナーになっても、二人は質素に暮らし、ときにはトレーニングまでサポートして私生活はいつも一緒だった。

 

ある時、ばあちゃんが検診で肺がんが発見された。5年前だ。

ステージ4、余命半年。

 

半年を待たずに他界。その後、このランナーは心身ともにやるきがでなく自暴自棄になる。近所の幼馴染が精神科をすすめ、しぶしぶ言ったら、完全にうつ病ですね。と宣告。

 

月2回は通ってくださいと先生。安定剤を処方してもらい、帰路についた。「もう、走れない、走りたくない」

「もうどうでもいい」  「ひとりになっちまった」など、愚痴を幼馴染にはきだす。

 

この幼馴染はこのランナーより8歳年上の中年男。禿散らかし、腹はでて、着るものは興味なく、おとなしい。でもやさしい。いわゆるニートおたくで実家に住んでいる。母親とふたり住まいで、母親には怒りを抑圧している。この男ももどかしくどうしようもならない人生を生きている・・・

 

 

このつづきは次回へ・・・・