生くさい現実
青臭い理想
己の中の独裁者
認められない孤独中
干渉しない
束縛しない
「ズシン」「ズシン」
迫ってくる
それを園外に追いやった
一杯やって
寝るとする
夕暮れにわな泣けば
遠慮しながら大の字
二度寝して満足すれば
きびしい風が会いにきた
おい!おれ!
いつまで過去を思い患っているんだ
いつまで過去をむさぼり返してんだ
あの山を見ろ!
あの木を見ろ!
風をかげ!
今すぐあそこに行くんだ!
あそこは両手を挙げて待っていてくれているぞ!
さあ 目をとじて
さあ 深呼吸をして
さあ 空を飛べ!
こがらし吹いて
かさぶたは剥がれ落ち
伸びない髪はとどこおる
無口になったあの鳥は
遠い目をして去ってゆく
心の空に雨がふる
やまない雨が突き刺さる
ちぎっては投げ
ちぎっては投げる
その「投げた」ものはすぐもどってきた
胸につかえているものを「投げたい」
せきをして追い出してみる
だめだった
あまり 悪さをしないでおくれ
そのうちに 「ちぎって投げるから」
カモメの二郎はそこにいた
散歩の帰り左見る
遠い目をしてそこにいた
その勇姿にひとめぼれ
曇り空の下にグレーが積もっている
一匹狼ならぬ
一匹カモメであった